正直に言うと、立川にはほとんど縁がありません。土地勘もゼロ。それでも仕事関係の方とご一緒することになり、せっかくならと探して見つけたのが、駅近くの静かな路地に佇む一軒の古民家でした。予約なしでも滑り込めましたが、後から知ったのは、この店が食べログ「そば EAST 百名店」に7年連続で選ばれている実力店だったということ。蕎麦はもちろん、蕎麦以外の一品一品が驚くほど丁寧で、気づけば予定より長く長居してしまった夜の記録です。
「蕎麦懐石 無庵」ってどんなお店?知る人ぞ知る立川の実力店
「無庵」は、立川駅からほど近いにもかかわらず、まるで別の街に迷い込んだかのような静けさに包まれた一軒。元は古い日本家屋だった建物を改装した店内には、格子窓や当時の瓦を再利用した壁など、古民家ならではの趣がそこかしこに残ります。扉を開けると、真空管アンプとスピーカーから流れる上質なジャズが出迎えてくれる、まさに「大人の隠れ家」といった雰囲気です。
その実力は折り紙付きで、食べログ「そば EAST 百名店」には7年連続で選出。数あるそば店がひしめく激戦区の中で、これだけ長く名を連ね続けているという事実だけでも、その実力のほどが伝わってきます。
店主は、元は別の仕事に就いていたという異色の経歴の持ち主。一念発起して蕎麦の世界に飛び込み、2月に蕎麦打ちの修行を始めてわずか8か月後の10月には開業したというから驚きです。本格的な蕎麦打ちの技術は、名門「一茶庵」の流れを汲む修行で身につけたと言われています。開業当初は1日に1〜2人しか来店がない日もあったそうですが、口コミで評判が広がり、今では予約必須の人気店へと成長しました。
店内で流れるジャズは、店主が長年集めてきたレコードコレクションによるものだそう。日本酒のセレクトを手がけるのは、利き酒師の資格を持つという店主のご息女とのことで、家族で作り上げてきた店だということが随所から伝わってきます。また、料理に使われる夏野菜の多くは、店主自らが手がける自家農園で栽培されたものだそうで、皿の上の一品一品に「作り手の顔が見える」安心感がありました。
お店の概要とアクセス、予約のコツ
| 店名 | 蕎麦懐石 無庵(そばかいせき むあん) |
|---|---|
| 住所 | 東京都立川市曙町1-28-5 |
| アクセス | 多摩モノレール「立川北」駅 北口 徒歩3分 JR「立川」駅 北口 徒歩5分 |
| 営業時間 | ランチ 11:30〜14:30(L.O.13:30) ディナー 17:30〜21:00(フードL.O.19:30・ドリンクL.O.20:00) |
| 電話番号 | 042-524-0512 |
| 席数 | 36席(テーブル20席・カウンター8席・個室あり) |
| 支払い方法 | クレジットカード可(電子マネー・QR決済は不可) |
| 定休日 | 日曜日 |
今回は予約なしでも入店できましたが、人気店だけあって予約しての訪問が断然おすすめです。席のみの予約も可能とのことなので、まずは席を確保してから当日メニューを決める、という使い方もできそうです。またディナーはラストオーダーが19時30分(フードL.O.)と早めなので、ゆっくり味わいたい方は早めの時間帯に予約するのが賢明です。なお夜の利用では、お蕎麦以外に2品以上の注文が条件となっているので、その点も覚えておくと安心です。
実食レポート:一品一品が主役級の夜
店内には他のお客様も多くいらっしゃったため、残念ながら店内の写真はありませんが、その分料理と真剣に向き合った夜になりました。手書きの品書きを眺めているだけでもワクワクが止まりません。
| メニュー | 価格(税込) |
|---|---|
| やきみそ(自家製白みそ使用) | 580円 |
| だし巻玉子 | 1,800円 |
| 夏野菜の揚げびたし | 1,200円 |
| おつまみ三品 | 1,500円 |
| 炙り鴨 | 1,980円 |
| 天ぷら盛り合わせ | 2,650円 |
| 鴨せいろ | ― |
※「鴨せいろ」は、あまりの美味しさに夢中になっているうちに価格の確認をすっかり忘れてしまいました。気になる方はぜひ店頭でご確認を。
まず登場したのが「やきみそ」。自家製の白みそを香ばしく焼き上げた、いわば大人のための”あて”です。添えられたズッキーニと一緒にひと口食べれば、みその甘みと焦げの香ばしさが絶妙に絡み合い、これはとにかくお酒が進む一品でした。
続いて登場した「だし巻玉子」は、見た目からして美しいひと品。ふわふわの断面から溢れる上品な出汁の香りに、思わず声が出そうになりました。
「夏野菜の揚げびたし」は、彩り豊かな野菜がたっぷり。聞いた話によると、使われている野菜の多くは店主自らが手がける自家農園で育てられたものだそうで、どの野菜も驚くほど瑞々しく、素材本来の甘みがしっかりと感じられました。
「おつまみ三品」は、ひと皿で三種類の小さな驚きを楽しめる贅沢な一皿。上品な味付けの中にそれぞれ個性が光り、お酒との会話がさらに弾みます。
「炙り鴨」は、しっかりと火入れされながらもしっとりとした食感。噛むほどに肉の旨みと脂の甘みが広がる、お酒との相性が抜群の一品でした。
「天ぷら盛り合わせ」は、野菜も魚介もどれも見事な仕事ぶり。特にエビは、丁寧に一尾ずつ揚げているのがひと目で伝わる仕上がりで、サクサクの衣の中からぷりっとした身が現れました。
そして締めに登場したのが「鴨せいろ」。もはや説明不要のおいしさ、としか言いようがありません。コクのある鴨出汁のつけ汁に、香り豊かな十割に近い蕎麦を絡めていただく至福の時間。ここまでのおつまみで満たされたお腹にも、するすると入っていってしまう軽やかさでした。
お酒も本格派。日本酒のラインナップが充実
今回いただいたお酒は、「エビスビール中瓶」(960円)と、日本酒「いずみ橋」1合(純米酒・辛口・1,200円)の2杯。特に日本酒のラインナップは、利き酒師の資格を持つご息女が選んでいるだけあって、他ではなかなか出会えない銘柄が並んでいました。
まとめ:立川で蕎麦を食べるならここは間違いなくおすすめ
蕎麦以外の一品一品がここまで丁寧で素晴らしいお店だとは、正直訪れるまで想像していませんでした。土地勘のない立川で偶然見つけたお店でしたが、食べログ「そば EAST 百名店」に7年連続で選ばれているのも納得の実力です。次回はぜひ、ゆったりとした時間が流れるランチにも伺いたいと思います。立川駅周辺で美味しい蕎麦を探しているなら、迷わずここをおすすめします。
「蕎麦懐石 無庵」の詳細・ご予約は公式サイトから。
ディナーは予約必須、日曜定休なのでご注意を。
古い建物を活かした隠れ家グルメつながりで、四谷三丁目の「新楽記」の記事もぜひ合わせてお楽しみください。→ 四谷三丁目「新楽記」で味わう本格広東料理
麺類つながりでは、東京駅の期間限定出店をレポートしたこちらの記事もどうぞ。→ 東京駅で喜多方ラーメン!食堂はせ川が期間限定出店
参考・出典:
・蕎麦懐石 無庵 公式サイト
・食べログ「蕎麦懐石 無庵」
・食べログ「蕎麦懐石 無庵」宴会・コース情報
・ダイヤモンド・オンライン 店主インタビュー記事
・日本蕎麦協会「食べ歩きレポート:無庵」
・泉橋酒造「いずみ橋」取扱店情報
※価格・営業時間などは取材時点の情報です。ご来店前に最新情報を公式サイト等でご確認ください。


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