東京駅の八重洲南口地下、東京ラーメンストリートを歩いていたら、お昼どきでもないのに長い行列ができているお店を見つけました。のれんに書かれていたのは「食堂はせ川」の文字。福島・喜多方で90年近くラーメンを作り続けてきた、あの喜多方ラーメンの名店です。実は今、東京駅に期間限定で出店中とのことで、さっそく並んで食べてきました。喜多方ラーメンの歴史から、はせ川のこだわり、実際に頼んだ「味玉醤油らーめん」の感想、営業時間やアクセスまで、行く前に知っておきたい情報をまとめてお届けします。

そもそも「喜多方ラーメン」ってどんなラーメン?
「食堂はせ川」の話をする前に、まずは喜多方ラーメンそのものについて少しおさらいしておきましょう。知っているとお店での一杯がもっと味わい深くなるはずです。
始まりは中国から渡ってきた屋台の「支那そば」
喜多方ラーメンは、福島県喜多方市発祥のご当地ラーメン。札幌ラーメン、博多ラーメンと並んで「日本三大ラーメン」のひとつに数えられています。その歴史は意外と古く、起源は1920年代までさかのぼるといわれています。中国・浙江省から日本へ渡ってきた青年が、喜多方の街で屋台の「支那そば」を売り歩いたのが最初とされ、そのノウハウを受け継いだ人たちが次々と「〇〇食堂」という屋号でラーメンを提供するようになりました。今でも喜多方には「食堂」を名乗るラーメン店が多いのは、この歴史が関係しています。
その後、1980年代に観光振興の流れに乗ってテレビや雑誌で紹介され、「蔵の街」としての観光と一緒に喜多方ラーメンは全国区の知名度を獲得しました。人口に対するラーメン店の数が非常に多いことでも知られ、朝からラーメンを食べる「朝ラー」文化が根付いている、まさにラーメンの街です。
太くて縮れた「多加水麺」と、あっさり醤油スープが決め手
喜多方ラーメンの特徴は、なんといっても麺にあります。幅約4mmほどの平打ちで、水分を多く含んだ「多加水麺」と呼ばれる太めの縮れ麺。もっちり、つるつるとした独特の食感が持ち味です。スープは豚骨と煮干しをベースにした醤油味で、見た目は茶色く濃そうに見えても、飲んでみると意外にあっさり。チャーシューを大きめ・多めにのせるお店が多いのも喜多方らしさのひとつです。
実は7月17日は「喜多方ラーメンの日」。「喜」の字を草書体で書くと「七十七」とも読めることにちなんで制定された記念日で、一般社団法人日本記念日協会にも登録されています。東京駅の店内にも、この記念日を紹介するポスターが貼られていました。

「食堂はせ川」ってどんなお店?会津の伝統を継ぐ二代目の挑戦
「食堂はせ川」は、1982年に福島県喜多方市大荒井で創業した老舗ラーメン店。現在は二代目店主の長谷川大輔さんが暖簾を守っています。地元では喜多方ラーメンの人気店をまとめて「喜多方ラーメン四天王」と呼ぶこともあるそうで、はせ川もその一角に数えられる存在です。「ラーメンWalker」の金賞(2024年・2025年)や、食べログの「ラーメンEAST 百名店2025」にも選出されるなど、地元だけでなく全国のラーメンファンからも高く評価されています。
伝統的な喜多方ラーメンの型をきっちり守りながらも、現代的な技術で味を磨き上げるスタイルから、はせ川は「喜多方ラーメンの異端児」とも称されます。先代から受け継いだ味に安住せず、常にアップデートを続ける二代目の姿勢が、この呼び名に表れているのかもしれません。
スープ・麺・タレ・チャーシュー、それぞれのこだわり
店内に掲示されていた説明によると、はせ川のラーメンは次のようにつくられています。
- スープ:国産の鶏ガラと、九十九里産の青口煮干しからじっくりと旨みを抽出。素材の旨みと煮干しの香りが心地よく香る、雑味の少ない仕上がりです。
- 麺:北海道産小麦「きたほなみ」を軸につくった多加水麺。加水率は44%前後で、気温や湿度に応じて微調整しているそう。もちもちとした食感と小麦の風味が楽しめます。
- 醤油ダレ:会津産の醤油を使用。香りの立ち方が違うのだそうです。
- チャーシュー:会津産の豚肩ロースをしょうゆだれでじっくり炊き上げ。看板メニューの「大判チャーシュー」は国産豚バラ肉のみを使い、4時間煮込んでから一晩寝かせることで、旨みを凝縮(仕上がりは元の重さの半分ほどになるそうです)。
ちなみに、店主おすすめの食べ方は「ご飯にチャーシューやメンマ、ネギをのせ、さらに麺まで一緒にのせて黒胡椒をひと振り」なのだとか。一杯のラーメンで二度楽しめる、なんとも贅沢な食べ方です。ライスを追加して、ぜひ試してみてください。
東京駅一番街に登場!「ご当地ラーメンチャレンジ」第3弾として期間限定出店
そんな「食堂はせ川」が東京にやってきた理由は、東京ラーメンストリートの企画「ご当地ラーメンチャレンジ by 東京ラーメンストリート」。全国の人気ご当地ラーメン店を期間限定で招き、東京駅にいながらその土地の味を楽しめるという企画で、はせ川はその第3弾として選ばれました。県外への長期出店はお店にとって今回が初めてとのことで、地元・喜多方以外でこの味が食べられる貴重な機会になっています。


店舗情報まとめ
| 店名 | 食堂はせ川 東京ラーメンストリート店 |
|---|---|
| 出店期間 | 2026年8月6日(木)〜2026年11月23日(月・祝)※期間限定 |
| 場所 | 東京駅一番街 地下1階「東京ラーメンストリート」内(東京駅八重洲南口地下) |
| 営業時間 | 11:00〜22:30(ラストオーダー 22:00) |
| 電話番号 | 03-6257-7770 |
| 席数 | 28席 |
| 支払い方法 | 現金/電子マネー(交通系ICのみ) |
| 喫煙 | 禁煙 |
| 注文方法 | 券売機による食券制 |
東京駅構内なので、新幹線や在来線を利用するついでにも立ち寄りやすいのが嬉しいところ。八重洲南口から地下に降りて、東京ラーメンストリートの案内に沿って進めば迷わず着けます。ランチタイムはもちろん、夜22:30(L.O.22:00)まで営業しているので、遅めの夕食にもおすすめです。

メニュー紹介:定番の醤油・塩から東京駅限定の一杯まで
メニューは醤油味と塩味それぞれに、トッピングの量によって何段階かのグレードが用意されています。値段は税込です。
| メニュー | 価格 |
|---|---|
| 醤油らーめん | 1,000円 |
| 塩らーめん | 1,050円 |
| 味玉醤油らーめん | 1,200円 |
| 味玉塩らーめん | 1,250円 |
| 大判チャーシュー醤油らーめん(看板メニュー) | 1,300円 |
| 大判チャーシュー塩らーめん | 1,350円 |
| Wチャーシュー醤油らーめん | 1,450円 |
| Wチャーシュー塩らーめん | 1,500円 |
| 特製醤油らーめん | 1,650円 |
| 特製塩らーめん | 1,700円 |
| 辛味醤油らーめん(東京駅限定) | 1,100円 |
| 旨辛汁なし担々麺(旨辛フェア/大盛り不可) | 1,300円 |
東京駅限定の「辛味醤油らーめん」は、会津に伝統的に伝わるにんにく辛子味噌をベースにしたピリ辛の一杯。定番の醤油・塩と食べ比べたい方は、ぜひこちらも候補に入れてみてください。
トッピングやサイドメニューも充実しています。
- 紅花半熟たまご:200円
- メンマ:150円
- ネギ:150円
- 切り落としチャーシュー:200円
- 黄身のチャーシューごはん:500円
- チャーシューごはん:400円
- ライス:250円/小ライス:150円
- 麺の大盛(玉):300円
ドリンクは瓶ビール(小瓶)500円、コーラ・オレンジジュース各250円、ウーロン茶250円、黒ウーロン茶300円が用意されています。
実食!「味玉醤油らーめん」(1,200円)を食べてみた
今回注文したのは、券売機の中でもちょうど真ん中グレードにあたる「味玉醤油らーめん」(1,200円)。基本の醤油らーめんに、半熟の味付け玉子をプラスしたものです。

運ばれてきた一杯は、想像していたよりも澄んだ、きれいな琥珀色のスープ。喜多方ラーメンというと濃厚なイメージを持つ方もいるかもしれませんが、はせ川のスープは香りが立ちながらもすっきりとした後味で、最後まで飲み干したくなる軽やかさがありました。鶏と煮干しの旨みがじんわりと広がり、くどさがまったくありません。

主役の麺は、聞いていた通りのもちもち食感。噛むほどに小麦の甘みを感じられ、太めの縮れ麺がスープをしっかり絡めとってくれます。半熟の味玉は黄身がとろりとしていて、スープに溶け出す濃厚さがアクセントに。チャーシューは口の中でほろりとほどけるやわらかさで、脂身の甘さと肉の食べ応えのバランスが絶妙でした。

店主おすすめの「ご飯に麺やチャーシューをのせて黒胡椒をひと振り」もぜひ試してみてください。ラーメンとご飯、両方の美味しさを一度に楽しめる、まさに反則級の組み合わせです。
喜多方ラーメン初心者の方には、まずこの「味玉醤油らーめん」から試してみるのがおすすめ。喜多方ラーメンらしい麺の食感と、はせ川らしい上品なスープの両方を、無理なく味わえるちょうどいいバランスの一杯です。もちろん、看板メニューの「大判チャーシュー醤油らーめん」や、東京駅限定の「辛味醤油らーめん」も気になるところ。何度か通って食べ比べてみたくなりました。

期間限定だからこそ、今のうちに訪れておきたい
「食堂はせ川」の東京駅出店は2026年11月23日まで。福島まで足を運ばなくても、あの喜多方ラーメンを味わえる貴重な機会です。東京駅構内という好立地なので、出張や旅行の合間、新幹線の乗り換えついでにもふらっと立ち寄れるのも魅力。行列ができることも多いお店なので、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。
喜多方ラーメンの歴史や文化的な背景を知ったうえで一杯をすすると、いつものラーメンとはまたひと味違う体験になるはず。この記事を読んで気になった方は、ぜひ期間中に東京ラーメンストリートまで足を運んでみてください。
喜多方ラーメンの名店の味を、東京駅で。
出店は2026年11月23日までの期間限定です。
コスパ抜群の本格グルメつながりで、小岩の「焼肉市場 南口店」の記事もぜひご覧ください。→ 小岩の隠れ家焼肉「焼肉市場 南口店」で松阪牛に感動
参考・出典:
・東京駅一番街「食堂はせ川」ショップページ
・Tokyo Ramen of the Year「東京ラーメンストリートに『食堂はせ川』が登場!」
・東京ステーション開発株式会社 プレスリリース
・ガジェット通信「喜多方ラーメンの異端児『食堂はせ川』が東京駅にオープン!」
・TOKYO HEADLINE WEB「東京駅に“日本三大ラーメン”喜多方の名店『食堂はせ川』登場!」
・Wikipedia「喜多方ラーメン」
・SHARE BASE Magazine「会津・喜多方の名店『食堂はせ川』」
・食堂はせ川 公式Instagram
※価格・営業時間・出店期間は取材時点の情報です。ご来店前に最新情報をご確認ください。

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